龍の女神となるべき姫【上】
兄vs義弟?
『……ん』
気づけば、窓から射し込むあたたかな光。
そして、黒を基調に整えられたシンプルな部屋。
私、どうしたんだっけ?
何だかいい夢を見てた気がする。
『今、何時なんだろ?』
「9時だ」
『そっか、寝坊しちゃったね……って誰!?』
「一晩で俺のこと忘れたのかよ……」
そう言ったのは、ドアにもたれ掛かる悠基。
……入ってきたの気づかなかったよ。
やっぱ族から離れると、危機感もなくなっちゃうのか。
でも今は銀姫なんだから、気を引き締めないとね。