龍の女神となるべき姫【上】
「洗面所はあっちだ。
幹部しか使わねぇから誰も来ねぇと思う。
準備できたら、昨日の部屋に来いよ」
『わかった』
それから私は、準備を終えて昨日の部屋まで行った。
ドアを開けると。
誰かさんの、無駄に整った顔に、
「おはようございます」
智の爽やかな笑顔に、
「おはよぉ……」
留衣の寝ぼけた顔に、
「……」
完全に寝ている秋都の寝顔。
「よく眠れましたか?」
どっちかって言うと、私より智の方が寝不足なんじゃない?
『うん。……久しぶりにね』
「え?」
『あっ、何でもない』