龍の女神となるべき姫【上】
「ったく。
お前どこであんな技覚えてきたんだよ」
復活?した、優兄が聞いてきたけど。
『内緒だよ』
そう言って、私は空を見上げた。
雲ひとつない、澄み切った空を。
“この空、お前の瞳と同じ色だな”
ふと、あなたの言葉を思い出す。
視界がぼやけるのがわかったけど、涙はこぼさないね。
翔は、泣き顔よりも笑顔の方がいいって言ってくれたから―――
『教室行こ?』
私は、しっかりと前を見据えて校舎へと足を進めた。