龍の女神となるべき姫【上】
そのときの表情が、あまりにも切なげで。
はっとするほど綺麗で。
亜美は泣きそうな顔をしてんのに、俺は何もできなかった。
近づくことさえ許されねぇ気がしたんだ。
ちらっと横を見ると。
何とも言えねぇ、複雑な表情をした優也さんがいた。
俺はまだまだ亜美に近づけてねぇんだな。
そんなことを実感させられた。
亜美。
俺は
“お前が話してくれるまで待ってる”
って言ったけど。
もう、そんな余裕はねぇよ―――
〔悠基side end〕