龍の女神となるべき姫【上】
嫌な予感
それから家に送ってもらって。
悠基のキスのことは頭の隅に追いやり、どうにか眠ってからのこと。
―――ガバッ
『はぁ、はぁ、はぁっ』
な、に?これ。
ベッドサイドの時計を見ると、朝の4時58分。
いつもは6時を過ぎてから起きる私にとって、この時間は早すぎる。
おまけに、飛び起きるなんて。
・・
私は一体何を見た?
不吉な夢を見ていたことは覚えてるのに、それが何だったのかは記憶にない。