龍の女神となるべき姫【上】


手の平でスプレーを転がす。



髪を染めるのを、天姫になるのを躊躇うのは、やっぱみんなの反応が怖いから。



すれ違っても無視とかされたらどうしよう……。



みんなのことは信じてるんだけど、怖いものは怖い。







“そんなん信じてるって言わへんわ”



……。


何だか急に、秋都が思い浮かんだ。



ふふっ。


秋都なら本当にこう言ってくれそう。



きつそうに思える言葉だけど、全然そんなことはない。




よしっ。



私は金髪が一筋も残らないように、丁寧に銀に染めた。


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