龍の女神となるべき姫【上】
閑散とした理由
あんなにあった時間はどこに消えたんだ?
っていうくらい、時間が経つのは早くて。
もう、悠基たちが迎えに来てくれた。
いつものように、高級車の中でくつろいでいるみんなを見ると、足の力が抜けて、倒れ込むように車内に入った。
「亜美、寝ぼけてるの?」
留衣が屈託なく笑うから、私も自然に笑みがこぼれてきた。
『ちょっと寝不足なの』