龍の女神となるべき姫【上】
気まずくない沈黙を経て、学校に着くと。
「どうぞ」
爽やかな笑顔で、向かいに座っていた智がドアを開けてくれた。
さすが。
いつでもどこでも、レディーファーストだね。
そのあと、5人で校舎までの長い道のりを歩きながら、周りを見ると、片手ほどしか人がいない。
あれ?
いつもはもっと多いのに。
『ねぇ、どうして今日はこんなに人が少ないの?』
「お前、知らねぇのか?」
『へ?』