龍の女神となるべき姫【上】
「まぁまぁ、亜美ちゃん。
そう怒らないであげてください」
『ほんとに怒ってないし』
穏やかに話す智としゃべっていると、ずいぶん自分が子どもっぽく思えて、余計にいじけたくなってくる。
「悠基は、いい加減なことを言いたくなかっただけですよ。
悠基だって、学校で真面目に過ごしてるわけじゃありませんからね」
それを信じるべきなのか、ただのフォローだと受け流すべきなのかわからないけど。
にっこり笑う智を見ていたら、この際どうでもよくなってきた。
『それで、どうして人が少ないの?』