龍の女神となるべき姫【上】
「ほら、あれだよ。
亜美が拓也さんの暇潰しのために来たっていう……いてっ」
ふっふっふ。
嫌なこと思い出させてくれたわね。
そんなにやにやしながら言われるとか、めっちゃ屈辱的なんですけど。
若干涙を浮かべながら、鳩尾を擦る黎兄を見ていると。
「違ぇだろーが」と、優兄は呆れて黎兄を見ながら言った。
「そうじゃなくて。
亜美のクラスに、風龍の幹部の奴らが揃ってんだろ?」
『あぁ、うん。まぁ……』
「大丈夫なのか?」