龍の女神となるべき姫【上】
「俺は風龍4代目総長の、新橋悠基だ。
よろしくな」
こいつはきっと、俺の名前も知らねぇ。
知りもしねぇ女に名前を呼ばれたり、写メを撮られたりすることはあっても、普通に接してくれる奴はいなかった。
自惚れてるわけじゃねーけど、俺の名前を知らねぇ奴はいなかったし、女に名乗るってことはしなかった。
……家の仕事関係以外では。
でも、俺のことを知らねぇ女だからこそ。
知っても、態度を変えねぇ女だからこそ。
きっと俺は―――