あなたとわたし〜魔法と呪い〜2
「…そりゃ我慢なんて無理だよ。
…俺はこっそり見に行ったんだ。
面会時間にこっそり。
そしたらさ、こんなでっかい腹した妊婦さんと一緒に歩いてんの。」
勇作は身振り手振り話してくれた。
「途中でお腹痛くなったその人支えてさ、『大丈夫。フーフー』って呼吸法教えてさ。
千李さん…カッコイイんだ。
助産師は千李さんの天職。」
勇作はいつもどっか冷めてて、こんなふうに物事を熱く語ったりしないやつだった。
でも今ニコニコしながら千李さんの話しをする勇作は俺にはすげえカッコよく見える
「俺ね。仕事いつ辞めてもいいんだ。
俺…主夫になろうかなあって。
千李さんとの子供ができたら…」
「勇作…よかったな。
いい人に出会えて。
今のお前…すげえかっこよくて焦る。
恵子がお前に寝返るんじゃないかって思うくらい。
千李さんと幸せにな。」
なんとなく伝えたくなった。
勇作と千李さんが付き合うまでに俺と恵子もケンカしたりしたけど…
でも良かった。
勇作…真っ赤な顔して俯いちゃったけど…