あなたとわたし〜魔法と呪い〜2
「なんなの真也?
意味分かんない!」
立ち上がったやっこ先輩は怒ってたけど。
湯川先輩はニコニコで。
「そっかあ。俺にもらってもらうしかないか。
可愛いな。康子。
もらってやる。もらってやる。
いい子いい子。」
人目をはばからず抱きしめて頭を撫でる湯川先輩とは反対に、やっこ先輩は真っ赤になってた。
可愛いやっこ先輩。
「ちょっと!
今日は恵子と飲むって言ったでしょ。
女同士なんだから、邪魔だよ。真也。」
「だって俺も恵ちゃんと飲みたかったし…康子の本音も聞きたかったし…
昨日だって…断られるの覚悟だったから。」
そう言って湯川先輩は4人席に場所変えてと店の人に言ってた。
「そうだ…恵ちゃん…
明石がごめんね。
あいつ超調子のってたから、腹殴って、すね蹴っといたから…
ついでに一件営業元も奪っといた。」
ビールを飲みながら話してくれた。
「初めて康子に会社で呼び出されてさ…ワクワクしながら行ったのに、明石のバカが恵ちゃん襲ったって話しでさ。
俺の恨みもこねといたから。」
「…大丈夫なんですか?
なんか営業部のスーパールーキーだって…」
明石先輩言ってたし。
「あいつ…自分で言うなよ。恥っずい奴だな。
スーパールーキーだったけど、もう3年目だし。
ルーキーじゃないよ。
それに俺のがすごいよ。
俺…前後3年の先輩後輩の中でトップだから。
俺ね、さっき康子が言ったみたいに二人で頑張ってきたから…そこらの平社員なんかには絶対負けないよ。」
この二人ってすごい。
お互いがお互いを高め合ってる。
すごいカップルと飲んでるんじゃないかな…私。