あなたとわたし〜魔法と呪い〜2
Scene3
「なんなの…二人揃って。」
少し嫌そうに幹斗は出て来た。
「志賀恵子が…行こうっていうから。」
ふーんと言うだけで目も合わせてくれない。
なんだかつらくなってきて…
電話を出した。
呼び出し音がなる。
『もしもし。
恵子どしたー?』
幹斗も勇作くんも訳が分からないって顔して見てる。
「忙しいのにごめんなさい。
実は千李さんに紹介したい男の子がいて…
かっこいいし、サッカーも上手で…幹斗の……私にとっても大切な人なんです。
一度でいいんです。
一緒にごはん行きませんか?」
勇作くんの顔は真っ赤だった。
『いいよ。じゃあ来週の水曜日は?』
来週の水曜日はと二人に聞くと、首をちぎれんばかりに縦に降る勇作くん。
「幹斗もいい?」
ああとだけ返事をして、雑誌を読んでる。
もう泣きそうだな。
「じゃあ水曜にとりあえず『ラビ』の駐車場で」
そう言って電話をきった。
勇作くんはありがとう。ありがとう。と手を握り、
服…買いに行くとすごい勢いで家から出ていった。