先生の片思い
「せんせ~、これはぁ?」
柚奈をつれて家具を見に来たのはいいのだが…。



「あ、でもこれじゃ小さいか」
スタスタと歩いて勝手に動き回ってすぐ見失う。

そしてどこからか、[先生]と俺を呼ぶ。




一緒になって選んでくれるのは助かるのだが…視線が痛い。




先生、先生と呼ばれるせいで、高校生くらいに見える柚奈と俺は疑いの目で見られる。
まだそれに柚奈は気がついていない。




「先生。これかなりいいと思うんですけど」
やっと見つけた柚奈が、気持ちよさそうにソファに座って俺を見上げる。




部屋でこうやって待っていてくれたら抱きしめてるかも…。



って、何を考えてるんだ俺は。
一瞬変な考えが頭をよぎって自分自身驚いた。

欲求不満かよ。




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