先生の片思い
「琉晴さん、は長いし…」

おぉ、俺の名前覚えてるんだ。
素直に嬉しい。



「琉さんは!?」

「硫酸みたいじゃん」

「いいじゃないですか、琉さんで♪」


肩をぽんっと叩かれる。
柚奈を見ると、あの優しい笑顔。
認めたくないが少しだけ、ほんの少しだけドキッとした。




「琉さん、次はテーブル探しましょう?」
すっと立ち上がってまた俺から離れて探し回る。
ちょっとくらい待てよ。

子供かよっ。





「琉さーん」
離れて呼ばれると、よりいっそう[硫酸]って聞こえる…。

そう思いながらも、柚奈が[琉さん]と呼んでくれることで自然と笑顔になっていた。
何故か柚奈に呼ばれると心が和んだ。

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