先生の片思い
涙
『…今日泊めてもらえませんか?』
夕飯を作っていると久しぶりの柚奈からの電話。
ここ数日会っていなくて、正直少しだけ淋しかった。
『泊めてって…。柚奈んち隣じゃん。俺んち泊まってどうするんだよ』
ケータイを肩で耳に押し当てて話す。
今日は面倒だから焼きそばとスープだけ。
我ながら旨そうにできてる。
『お願い、琉さん』
いつになく弱い声だった。
炒めている手が無意識のうちに止まった。
こんな声を出すような女じゃないのに…。
『どうした?…とりあえず俺んちおいで』
初めてのことで、妙に心配になる。
どうしたんだろう。
人に頼ることなんてない柚奈が…。
何があったんだ?