先生の片思い
「でも若かったから~…先生に限って援交はないな。もしかして昔の生徒とか?」
勝手に追求しだす。



「へぇ~、元生徒かぁ。俺も教師になって生徒と禁断の恋したい」
シャーペンを置いてすっかり妄想に浸っている。


「何が禁断の恋だ。動機が不純すぎだ、あほ」
頭をベシッと少し強めに叩いてツッコミをいれる。
痛いっすとか言ってるけど無視。




「で、元生徒なんですか?」

「お前に関係ないだろ、早く解けよ」

問題用紙を顔の前でひらひらさせる。




「じゃあ、俺がこれ30分でできたら教えてください」
俺の返事を待たずに集中して問題を解く。



何で俺の恋路なんかが気になるんだか…。




窓際の席に座って、空を眺める。
「暑いな」


いかにも夏って感じの晴れた青い空。


”人間もこんな感じだよね”


今のあいつは天気で言えばどんよりした晴れるかわからない雨雲がずっと付きまとってる。
いつ泣いてもおかしくない状況。






早くこの空みたいな笑顔にしてやりたい。
< 30 / 40 >

この作品をシェア

pagetop