先生の片思い
「じゃ、私ここなんで」

「本当に言ってる?」
柚奈の一言を聞き、その場にしゃがみ込んだ。


「冗談言ってどうす…」
途中まで言って、気づいたのだろう。



「まさか先生も…」

「おう。そのまさかだ」


下から柚奈を見上げる。
お、こいつ脚綺麗だ。
って何を考えてるんだ、俺。



「まさか301とか言いませんよね?」


ちょっとした下心を抑えていると、部屋を当てられた。


「301だけど」

「えぇーーー!」
柚奈までしゃがみ込む。
この反応からすれば、かなり部屋が近いのだろう。


っていうか、俺が近いと不満なのかよ。
仲がいいと思ってたのは俺だけか?



「せんせ、お隣さん同士仲良くしましょうね」
驚きつつも、差し出された手を握った。



こうして教え子とのお隣さん生活が幕を開けた。
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