あたし、脱ぎます!《完》
ウキウキと
デパートを後にすると、
ハチ公前に向かった。
土曜日の午後は
たくさんの人で溢れている。
同年代の
女の子や男の子は
みんなオシャレで可愛い。
淳平くんは
どんな格好で来るのかな?
今日はデートだと
思って来てくれるのかな?
腕時計に
目を落とすと
待ち合わせの10分前。
今日は
ずっと緊張することが続くな……。
「萌香ちゃん?お待たせ!」
背後からの声に、
「きゃい!」と
鳥のような声が出てしまった。
ゆっくりと振り返ると
「待った?」と
笑みを浮かべる淳平くんが立っていた。
「……あ、
あ、淳平くん。
こ、こんにちは」
「今日は
人が多くて迷わなかった?」
「あ、はい。大丈夫です」
淳平くんに会えた嬉しさと緊張感、
そして
東京で知っている人が
傍にいる安心感、
色んな感情が混ざっている。