あたし、脱ぎます!《完》



「そっちのほうが良いよ。

ちょっと前は
ギャルを意識していたよね?」



「そ、そうですね……前は」



あたしは
ギャル系がオシャレだと
思っていたけど、

やっぱり似合ってなかったんだ。


自分に
似合うものを見つけるのって、
難しい。


でも今のあたしを良いって
言ってくれたことは確かだよね。



あたしたちは
スクランブル交差点から

センター街へ入って行き、

辿り着いた場所は東急ハンズ゙。



「設計で使う道具を買いたいんだ。

せっかくなのに、
変なところに付き合わせちゃってごめんね」



「大丈夫です!

そっか。
設計の勉強をしているんですよね」



淳平くんは
建築家を目指している。


結婚したら、

一緒に住む家も
設計するんだろうなぁ。


淳平くんは
店内を回り、

一つ一つを手に取り、
使いやすさなどを確認して、

カゴに入れて行く。


あたしは
そんな姿を追いながら、

胸が焦げてしまうほど、
熱くなっていた。



東京で
こんな風に会えるなんて、

何だか彼女みたいだ。



……彼女?

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