あたし、脱ぎます!《完》
「彼女は出来てないよ。
出会いがないし」
「大学生って
合コンとかたくさん行くんでしょ?
それに……
淳平くん、カッコ良いから」
知りたい欲求が
スラスラと言葉になる。
肩肘を下ろした淳平くんは
「そんなことないよ」と
鼻で笑いながら、
店員さんが
持ってきたミルクティのカップに
手を添えた。
「大学生は
そんな風に思われるけど、
俺は
バスケもバイトも
やっているから時間がないよ」
「バイトも?
勉強もバスケもやりながら、
アルバイトもしているの?!」
「そうだよ。
バイトしないとやって行けないからね。
コンビニで働いているんだ」
淳平くんは
親の負担を減らすために、
頑張っているんだ。
あたしみたいに
学校から帰ってきたら、
TVの前で
ポテトチップを食べている高校生とは違うんだ。
見習わなくちゃ……。