あたし、脱ぎます!《完》
カフェを出たとき、
17時を回っていた。
楽しい時間って
あっという間に過ぎてしまう。
そろそろ駅に向かわなくちゃ。
「あたし、
そろそろ山梨に帰る時間です……」
名残惜しい声が出てしまう。
もっと淳平くんと一緒に居たい。
「そっか。
今度、いつ会えるかなぁ」
淳平くんは
小さく唇を尖らせ、
ジーンズのポケットに手を入れた。
「また?
……会ってくれるの?」
「え?嫌?」
言葉が出て来ない。
淳平くんを
真っ直ぐ見つめたまま、
首を
横に振るしか出来なかった。
……淳平くん?
あたしのこと
どう思っているの?
あたし単純だから期待しちゃうよ。
淳平くんは
またあたしの荷持ちを持つと、
駅に向かって歩き出した。