あたし、脱ぎます!《完》
モコモコした
白のバスローブに
袖を通し、
歩き出す。
カチャカチャ……と
試し撮りをしている音が
だんだんと近づいてきた。
「失礼します…」と
弱々しい声しか出ない。
この水着姿を見て、
どう思われるだろう?
「おお。
萌香ちゃん、着替えたか。
じゃ、
そこの場所に立ってくれる?」
柔らかな照明が施された
真っ白な場所へ
ゆっくりと足を進める。
「じゃ、
バスローブを脱いでくれる?
……ERIさん、
受け取って上げて」
ERIさんの
「頑張ってね」という声に、
バスローブを渡した。
カメラマンも
特に反応もなく、
「これぐらいの明るさで、
まずは撮ります」と言うだけ。
あたしの胸の大きさには
触れて来なかった。
「ちょっと、
そこで簡単なポーズ取って」
カメラマンの声に
「えっ?」という顔で、
真鍋さんに視線を向けると、
「彼女、
仕事は初めてなんだ。
指示したら出来る子だから」と
フォローを入れる。