あたし、脱ぎます!《完》
「じゃ、
ベッドの上で三角座りしてみて、
……そうそう。
次は後ろに手をついて、
そうそう……
良いね」
カメラマンの
指示通り動きながら、
表情を作って行く。
何もかもが
初めてで、
よく分からない。
自分のポーズが
要求されたものとして
正解なのか分からない。
ただ、
一瞬、カシャカシャ……というシャッター音と
照明の雰囲気に
入り込む感覚があった。
……何だろう?
この感覚。
「次に
ベッドで寝転んでみようか」
指示通り横になると、
カメラマンが
あたしを跨ぎ、
上からレンズを向けた。
カシャカシャカシャ……。
カシャカシャカシャ……。
カシャカシャカシャ……。
薄明かりの中、
あたしの世界が生まれる。
シャッター音が心地よい。
もっと撮って欲しい、
あたしを撮って欲しい……
込み上げる欲求のまま、
ポーズを取り、
レンズを見つめる。
「OK!!」