あたし、脱ぎます!《完》
1日に
3着の水着を着ることも、
ビキニを付けることも……
初体験だったわけで……。
とにかく
緊張しっ放しだった。
私服に着替え、
撮影で使った水着を
ERIさんに返すと
「水着の撮影はどうだった?」と
訊かれた。
「……よく分からないけど、
嫌な気持ちはないです。
新しい自分を
見つけたというか、
もっと頑張ってみたい気持ちです!!」
素直な気持ちだった。
パソコンに
映っていた自分は
イヤらしいわけではない。
一つの作品として存在していた。
真鍋さんも
「良い写真が撮れたね」と
微笑んでくれた。
「萌香ちゃんは
グラビアアイドルとして活動するから、
胸から上が
証明写真だと思ったほうが良い」
……胸から上が証明写真?
「萌香ちゃんは
今まで
胸が大きいことを気にしていたんじゃない?
でも
それを自信に繋げたら、
きっと
素敵な女の子になって行けるよ」
あたしは
いつも自信がなかった。
胸が
大きいことを
コンプレックスに感じ、
男子からの
視線を気にして
背中を丸めていた。
そして
恋にも自信を無くしていた。
何も出来ないと思っていたあたしが、
少しずつ
変わろうとしていた。