あたし、脱ぎます!《完》
「淳平くん!!
見つけた!」
思わず出た声に、
「じゃ、早く来てよ♪」と
甘えた声を出す淳平くん。
またドキッとしてしまう。
駆け寄るあたしに
淳平くんが
「おお!!」と
右手を上げ、
ニカッと笑顔で迎えてくれた。
この顔を見ると、
温かい気持ちになれるんだ。
「ずっと渋谷で待っていてくれたの?」
「うん。
CDも見たかったし。
……どうしようか?
映画でも見に行く?
雨だから、
あんまり歩きたくないでしょ?」
……確かに。
靴の中が
グショグショになっているのは事実。
淳平くんの
ジーンズの裾も
雨で濡れていた。
あたしたちは
何を観ようか……と、
ケータイで検索しながら、
ディスプレイを
覗き込んだ。
頬が触れるか、触れないかの
至近距離に
また鼓動が打ち付ける。
その時、
ケータイが鳴り、
確認すると
佳代からのメールだった。