あたし、脱ぎます!《完》



『兄貴が
学校に行っていないから、

近いうちに
様子を観に行くことになりそう』



え?
理くん、また学校に行ってないの?



ケータイを閉じ、
こちらを向く淳平くんに

「理くんと会っている?」と尋ねた。



「理?
メールしても返事が来ないんだ。

何かあった?」



顔をしかめる淳平くんに
「実は……」と、

佳代から送られてきたメールを見せた。



「そっか。

あいつ学校に行ってないんだ……。

萌香ちゃん?
映画は今度でも良いかな?

理の家に行ってみたいんだ」



「……あ、うん。良いけど……」



理くんのことは気になる。

佳代のお兄ちゃんだもん。


でも……

二週間ぶりに会えて

楽しみにしていたデートなのに……。



「ごめん。

でも俺たちはまた会えるだろう?

理も大事な友達なんだ」



淳平くんの一言に
あたしは「うん」と頷いた。


友達にも
優しい淳平くんが大好きなんだ。


きっと
佳代が同じ立場だったら、

あたしも
淳平くんに同じお願いするだろう。



あたしたちは
理くんが独り暮らしをする家に向かった。


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