あたし、脱ぎます!《完》



GWに
一度だけ来たことのある駅。


向いのマックで
佳代と時間を潰したな。


窓の外から
同年代の女の子たちが笑いながら、

ハンバーガーを
頬張る姿が目に入った。



淳平くんは
「こっちだよ」と言いながら、
歩き始めた。


渋谷で会ったときの淳平くんとは
少し違っていた。


眉間にシワを寄せ、
険しい表情をしている。



ピンポーン。

ピンポーン。

ピンポーン……。


理くんの
家のインターフォンを押しても

応答がなかった。


あたしは
壁にもたれ、

小さくため息を漏らした。



「……萌香ちゃん。
ごめんね。

疲れちゃったよね?」



あたしは慌てて、

「そんなことないよ!」と
答えるが、

朝からの撮影と、
雨の中歩き回ったせいで、

正直疲れていた。


……淳平くんと
居られるのは嬉しいけど。


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