あたし、脱ぎます!《完》



「どうしようっ……か……。

あいつ、
どこに行ったんだろう?」



淳平くんも
壁にもられ、

ケータイを開き電話をかけた。


雨音だけが響く
マンションのエントランスに

プルルルルル……と
小さな音が響く。



その時、
どこからか……

着メロが聴こえてきた。



あたしたちに
だんだんと近づく音楽に
振り返った。



「あっ……!」



あたしの声に、
ビニール袋をぶら下げた

スエット姿の理くんが
顔を向けた。



「理!?

どこ行っていたんだよ?!」



淳平くんの
問いかけに、

理くんは
「コンビニだよ」と
何事もなかったように答えた。



「じゃ、
何で電話出ないんだよ!

気付いていたんだろう?」



「気付いてないよ。

何しに来たんだよ?」



表情を変えず、
鍵を開ける理くん。


何だか、

高校時代と別人だ。


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