あたし、脱ぎます!《完》
「何?
どうしてこんなところにいるの?
東京で会えるなんて、
めっちゃ感激なんだけど!!」
声を上げる藤原さんに、
周りの人たちが近付いてきた。
「この子、
俺が高校時代に
マジ惚れしていた子なんだ。
そのときは
振られちゃったんだけどねぇ」
語尾と同時に視線を向ける藤原さん。
「じゃ何でここにいるんだよ?」
「何?今はお前の彼女なの?」と
他の部員が口々にした。
ち、違う!違う!!
誤解しないで!!
あたしは淳平くんに会いに来たんだから!
「ここにいるってことは、
俺に会いに来てくれた訳?
……そんな訳ないか」
何て言えば良いのかな。
ここで
淳平くんと付き合っていること言って良いのかな……。
「よ!藤原!!!」
その時、
吹き抜けになった二階から
声が聞こえた。
天の助けのような愛しい声。
「おお!!桐谷!
そっか。
ここはお前の大学だよな。
……あれ?じゃ萌香ちゃん?」
駆け足で
降りてくる淳平くんが
あたしの前に立ち、
「そうだよ。
萌香は俺に会いに来たんだ」と言った。