あたし、脱ぎます!《完》
「2階席で
ちゃんと観ていて。
俺、頑張るから。
……あ、そうだ!!
もし勝ったら
俺にご褒美ちょうだい」
「……ご、褒美?」
やっと声が出た。
淳平くんは
そんなあたしに
「うん、ご褒美☆」と
甘えた笑顔を見せる。
「俺のチームが勝ったら……
お願い事、何でも聞いてよ。
良いよね?」
淳平くんは小指を出した。
あたしは
「え?」と思いながらも
条件反射で
小指が出てしまうと、
淳平くんはその指を強く絡めた。
「お願い事って何?
あたしに出来ること?」
「出来ることだよ。
だって、
目を瞑ってもらうだけだから。
じゃ約束!
俺、頑張るから!」
繋がった小指が離れると、
淳平くんは
あたしの頭をクシャクシャと撫で、
2階へ行ってしまった。
……目を瞑ってもらうだけだからって?
どういうこと??
頭の中は
『?』マークが飛び交った。