あたし、脱ぎます!《完》


試合時間、残り3分。


“54−48”


大丈夫だよね?

このままだったら、
勝てるよね??



あたしは
胸に手を合わせ、

祈るように試合を見ていた。


藤原さんのチームが
ラストスパートで
点を入れ始めた。


残り1分で何と、 

“54対54”と

同点になってしまった。



……あたしの初キスは
どうなっちゃうの?



あたしだって、


あたしだって……


淳平くんとキスがしたい、


甘いキスがしたいんだから!!



高鳴る鼓動は
焦りへと変わって行く。

そして
汗ばむ手の平をギュッと握り締めた。



「淳平くん!!!

負けちゃ駄目!!!!」



あたしは
2階席から身を乗り出すように
叫んでしまった。


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