あたし、脱ぎます!《完》
高校時代から
淳平くんのプレーは何度も見てきたよ。
でも
こんなに興奮したのは初めて。
声を出して応援したのも初めて。
こんなにドキドキ……
淳平くんを見つめたのも初めて。
真っ直ぐ見つめるあたしに
淳平くんが、
こちらに向かって拳を上げた。
そして
「やった!」と
ニカっと笑顔を見せた。
うん!!やったね!!
淳平くん!!
カッコ良かったよ!!
あたしは手を振りながら、
「おめでとう!」と
口を動かすと、
淳平くんは
大きく口を開け、
一文字ずつ言った。
「ヤ・ク・ソ・ク」
ドキッと鼓動が強く打ち付ける。
そうだった。
あたし、
淳平くんと約束をしているんだ。
覚えていたけど、
公訳(コウヤク)が成立したことで……
また
鼓動が早くなったんだ。