あたし、脱ぎます!《完》
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ロビーのソファに
腰を下ろし、
窓の外を眺めていた。
昼下がりの太陽が
キラキラと木々を照らし、
都会にいることを忘れさせてくれる。
「萌香ちゃん?」
背後から
声を掛けられ、
振り返ると
藤原さんが立っていた。
「今日は御苦労さまでした」
あたしは
立ち上がり、
小さく頭を下げる。
「今日は
負けちゃったけど、
萌香ちゃんと会えて良かったよ。
桐谷と
付き合っていたのはショックだけど、
俺は振られた身だし、
仕方ないか!!
じゃあね!!」
藤原さんは
暗い表情を見せず、
他の生徒と
体育館を出て行った。
そんな後姿を見ていると、
「お待たせ!!」という声がした。
振り返ると、
シャワーを浴び、
すっきりした顔の淳平くんがいた。
「今日は
萌香がいたから、
頑張れたよ」
呼び捨ても
自然になっている。
そんなことが
とっても嬉しいんだ。
「そう言ってもらえると
嬉しいけど、
突然、来ちゃってごめんね。
藤原さんにも……」
「藤原のことは時効だよ。
あいつも諦めているし。
……まだ時間あるよね?
大学を案内しようか?」
「え?!ホント!?見たい!!」
大学なんて、
高校生のあたしに
とって未知の世界。
ドラマや小説の中の話だよ。
しかも
淳平が通う大学を歩けるなんて……
夢みたい。