あたし、脱ぎます!《完》
日曜日の大学は、
講義もなく
部活やゼミに来ている生徒ぐらいだ。
あたしが
イメージしている大学とは……
ちょっと違った。
拭き抜けになった
4階建て建物は
真中に大きな階段があり、
そこから
各教室に行けるようになっている。
そして
エレベーターだってある。
私立大学独特な
斬新(ザンシン)な造りに
「わぁ」と声が洩れる。
「どこへ行ってみたい?」と
尋ねる淳平くんに、
あたしは
「淳平くんがいつも勉強しているところ」と
迷わず答えた。
「そしたら……」と
あたしの手を握り、
歩き出した。
さっきまで
バスケをやっていたせいか、
淳平くんの手は熱を帯びていた。
この大きな手で、
たくさんのシュートを
決めていたんだね。
「ここの教室で
講義を受けることが多いかな……」
淳平くんが扉を開けた。
教室を覗くと
何段にも扇状になった机があり、
たくさんの生徒が
座れるようになっていた。
前には
大きなスライドボードがある。
ドラマのワンセットのようだ。