あたし、脱ぎます!《完》
「何か、
“大学”って感じ!!」
「あはは!!
何だよ、それ!
……でも、
俺も初めて来た時、そう思ったかも」
あたしは
一番前の席に座り、
教壇に上がる
淳平くんを眺めた。
教壇の両端に手を付き、
あたしを
直視する淳平くん。
そんな姿も
カッコ良いけど、
少し偉そうに見えて笑える。
「何、笑っているんだよっ!」
「だってぇ。
そんな風に立っていると、
ホントの先生みたい」
「じゃ、
萌香は俺の生徒として、
言うこと……
聞かないと……な」
淳平くんは
いたずらっ子の目で、
こちらに近づいてきた。
……な、な、何が起こるの??
ちょっと
危険な香りを漂わす淳平くん。
「さっきの約束を……、
先生としましょうか……」
「……え?」
「だから、目を瞑って……?」
淳平くんは
机に手を付くと、
肩幅以上開き、
顔をスレスレのところまで近付けた。
あたしは
後退りも出来ず、
淳平くんの瞳に映る
自分の顔を見つめていた。