あたし、脱ぎます!《完》



あたしと雄介は
家に入ると、

クーラーの利いたリビングのソファに
腰を下ろした。



「……ってか、暑かったぁ。

お母さん?
アイスコーヒーも入れて~」



こういう時は
甘えた声を出してみる……が、

「自分でやりなさい!

女の子なんだから」と

返されるのがオチである。



「もう(怒)

……雄介も
アイスコーヒーで良いよね?」



「おお。さんきゅう」



冷蔵庫を開けると、
1リットルの紙パックになったアイスコーヒーを
グラスに注ぎ、雄介に渡した。


ゴクゴクゴク……と
2人して喉を鳴らしながら飲む。

そして、
「はぁ」と息を漏らした。



グラスを
テーブルに置いた時、

横にある封筒に目が留まった。


A4サイズの封筒には、

“永井萌香さま”と書かれてある。



「あれ?何これ?」



手に取ると、

キッチンからお母さんの声が響いた。



「事務所から
郵便物が来たわよ。

あんたのグラビアが
載った雑誌じゃないのー」



「あんたのグラビア??」



雄介が
グラスを持ったまま、

あたしに視線を向けた。


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