あたし、脱ぎます!《完》



「……え?え?

……あ、

えっと……」



そう………。



あたしが
グラビアアイドルになった話は、

家族と
佳代しか知らないのだ。


しかも
淳平くんにさえ話していない。


あたしが
東京に来る理由も

親戚のお見舞いということなっていた。



ここで
雄介にバレるのは、
面倒だな……。


隠したほうが良いよね。



「はい。ケーキよ。食べてね」




お母さんは
テーブルの上に、

真っ赤な苺が乗った
ショートケーキを乗せた。



「ほら。
早く開けて見せて。

あんたの水着姿なんて、
どんなのかしら?

後で
私の若い頃と比べてみる?うふふ」




「ちょ、ちょ、ちょっと!!

お母さん!!」



目を丸くして、
会話を聞いている雄介は、

「え?マジ?」と
状況が読めたようだ。



もう隠せないよね……。



雄介には
ちゃんと言わなくちゃ……。



視線を手元に落とすと、

「遅せぇ!!
俺が開けてやる!!」と

雄介に封筒を奪われた。



「雄ちゃん、早く開けて!!」と
わくわくするお母さん。



もう勝手にして!!



雄介は
封筒をビリビリと破くと、

中から
一冊の雑誌を取り出した。


カラフルな文字と

水着のアイドルが表紙になった

週刊スプラッシュだ。

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