あたし、脱ぎます!《完》
「はい」と
お金を差し出すお客の声で
我に返り、
「……あ、すいません」と
雑誌とお茶をビニール袋に入れ、
お釣りのいらない
ちょうどの金額を受け取った。
「あ、ありがとうございました……」
ぎこちない声を出すと、
すぐ後ろに並んでいた男女が
プリンとアイスをカウンターに置く。
俺は動揺しているせいか、
指が震え、
金額を伝える声も裏返ってしまう。
クスクスを笑う男女が
店内を出て行った後、
俺は恐る恐る雑誌コーナーに足を運んだ。
一時間前に
業者が運んできた雑誌を
店長が並べたばかりなので、
すべてが
一望出来るようになっていた。