あたし、脱ぎます!《完》
「暑かったでしょ?
これ飲んで待っててね」
真鍋さんが
お盆にアイスティーを二つ乗せて運んできた。
「気を使わないでください!」と
言う愛美ちゃんに
「うちは全部、
僕がやってるんだ。
他にもマネージャーや事務員がいるけど、
今日は日曜日だからね」と答えた。
「そうなんだ。
何かアットホームな感じ」
愛美ちゃんは口角を上げて笑った。
マネージャーは
ほとんど休みがないって
聞いたことがあるけど
大変な仕事だな。
タレントより、忙しいかも。
三人で談笑していると、
♪ピンポーンと
インターフォンが鳴った。
「あ、山根さんが来たかな」と
真鍋さんは立ち上がり、
玄関のドアを開けに行った。
「ごめんなさいね。
遅れちゃって〜。
あら?
あなたが萌香ちゃん?
可愛いわ。そちらはお友達?」
大きなバッグを持って
背の高い男性が
機関銃のような早口で
話しかけてきた。
しかもオネエ言葉。