あたし、脱ぎます!《完》
「萌香♪
今日は淳平くんと話せて良かったね」
肩をぶつけながら、
佳代が意地悪そうに微笑んだ。
「うん!佳代のお陰だね」
「でも、
ホントに見ているだけで良いの?
あと少しで
淳平くんも卒業しちゃうよ。
その前に気持ちだけでも伝えたら?」
「そんなの無理だよ!
淳平くんがあたしなんて
相手にするわけないから」
……そうに決まっている。
淳平くんは学校1のイケメン。
あたしみたいな
ドン臭い子を好きになる訳ない。
傷つくだけだ。
こうやって見ているだけで満足。
淳平くんが
学校を卒業したら、
あたしも淳平くんから卒業しよう。
そう思っていた。