あたし、脱ぎます!《完》


「ところで、
さっき話したいことがあるって
言ってたけど、

何だったの?」



真鍋さんは
コップの水を飲み干した後、

あたしに問いかけた。



「……あ、

えっと…。実は……」



真っ直ぐと
見つめる真鍋さんの視線は
柔らかい。

でも怒られるかも……と不安もある。


タレントは
“恋愛厳禁”とか聞くから。



「どうしたの?
ちゃんと話してごらん?

僕はお父さんたちから
萌香ちゃんを預かっているんだ。

悩みがあるなら話して欲しんだ」



落ち着いた口調で、
気持ちを紐解くように言ってくれる。



「あたし……

付き合っている人がいるんです。

だから……

一応、
報告しておこうと思って……」



真鍋さんの顔を
まともに見ることが出来ず、

うつむいてしまう。

モジモジと動かす指を
じっと見つめた。



「そっか。

なるほどね。

その人はどんな人なの?

地元に住んでる人?」



真鍋さんは
特に口調も変えず質問する。






< 192 / 383 >

この作品をシェア

pagetop