あたし、脱ぎます!《完》
試合終了。
今日も淳平くんの大学の勝利。
シュートが決まると
あたしにガッツポーズを向ける淳平くん。
何度もドキッとした。
シュートの数だけときめいたよ。
「ね?淳平くんのところに行こうよー」
愛美ちゃんが
急かすように背中を押す。
「こっちに
来てくれるから待ってよう」
あたしは
ベンチに腰を下ろし、
汗を拭く淳平くんを眺めた。
今日は
いっぱい汗かいたせいか、
物凄い勢いで
スポーツドリンクを飲んでいる。
それでも
汗が引かないのか、
火照った身体を
冷ますように団扇で煽(アオ)いでいた。
その時、
淳平くんに
タオルを差し出す女の子が……。
そのタオルを受け取り、
何か会話している。
…何、話しているんだろう?
Tシャツとジャージ姿の
小柄な女の子は、
満面の笑みで淳平くんを見ていた。
「淳平くんと話している子、
けっこう可愛いね。
バスケ部のマネージャーかな?」
あたしの思っていることを
言葉にする愛美ちゃんに
「うん…」と頷く。
マネージャーだってわかるけど、
淳平くんのこと
じっと見ないでよ……
なんて、
勝手なことを思ってしまう。