あたし、脱ぎます!《完》
時折見せる二人の笑顔。
さっきまで、
シュートの数だけときめいていたのに、
二人の笑顔を見ていると、
どんどん胸が締め付けられる。
ううう。
やっぱりヤダ。
淳平くんが
他の女の子と
仲良くしているところを見るのは……。
「……愛美ちゃん?
下のロビーで待って居よう」
今のあたしに出来ることは、
あの二人の姿を見ないこと。
淳平くんのことは信じてる。
他の子に目が行っちゃうなんて、
思いたくないけど、
やっぱり不安が込み上げちゃう。
だって
淳平くんはイケメンだもん。
女の子は
みんなが狙ってるに決まってるよ!!
あたしたちは
ロビーに降り、
ソファーに腰を下ろした。
愛美ちゃんは
夕方からバイトがあるから、
「まだかな?」と
腕時計をチラチラと見ていた。
「もう少しだと思うんだけど…」
あのマネージャーと
楽しく話しているから、
来ないのかな……。
いつもだったら、
とっくに来てくれるのに。
大事な話でもしているのかな?
そう信じたい。