あたし、脱ぎます!《完》
それから10分ほどすると、
さっきまで
試合に出ていたメンバーが
体育館から出てきた。
あたしたちは淳平くんを探した。
チラチラと
目が合うバスケ部のメンバーたちを避けるように淳平くんを探すが、
更衣室へ向かう集団の中に
姿はなかった。
どこに行ったんだろう?
急に不安が込み上げ、
腰を上げる。
「淳平くんまだかなー」
愛美ちゃんも続いて腰を上げた。
あたしたちは
体育場の中に駆け寄り、
開いている
扉の中を覗き込んだ。
光が広がる体育場。
さっきまでの熱気が伝わって来る。
そこには、
先ほどのマネージャーとコーチらしき人が
隅の方で話をしている姿を見つけた。
ホッと胸を撫で下ろした時、
「萌香!!」と
背後から声がした。
あたしと愛美ちゃんは
同じタイミングで振り返る。
「どこ行ってたんだよ。
二階に行っても
いないから帰ったのかと思ったよ。
良かったぁ。会えて」
ユニホーム姿の淳平くんが
ホッとした顔で立っていた。