あたし、脱ぎます!《完》
女子は
男子から借りた学ランを着て、
呼び込みをする。
学ラン姿の佳代が
「ちょっと、
この格好暑いんだけどぉ」と
タオルで汗を拭くと、
そのタオルを
鉢巻きのよう巻いた。
「佳代、おっさんみたい!」
「粋な男って感じで、素敵♪」
学ランを着た女の子たちが、
佳代の姿に絶賛する。
「そう?
イケメンでしょ?」
得意げな佳代は、
小麦色の肌に
男らしい笑みを浮かべた。
見た目は
ギャルそのものになっていた佳代。
日サロに通い、肌は真っ黒。
髪の毛は
メッシュを入れた茶髪で、
耳には
星型のピアスが2つ並んでいた。
そんな佳代だけど、
中身は……
何も変わっていなかった。
佳代の変貌ぶりに
「ギャルっていうより、
ヤンキーだな」と言った男子に
とび蹴りを入れていた。
そんな噂は
もちろん雄介の耳に入り、
「すげぇな」の
一言で片付けられた。
佳代も
雄介くんに嫌われたかも……と
嘆いていたが、
今更、
嫌うのも何もない……というのがあたしの本音だ。