あたし、脱ぎます!《完》



振り返ると
右手を振る淳平くんがいたのだ。



じゅ、じゅ、淳平くん!!!!



淳平くんが
文化祭に来てくれた!!!



「ちょ、ちょっと……

ごめんね。

約束があるから……。

ごめんね」



周りの女の子たちを
かき分け、

こちらにやって来る淳平くん。



「「「えええええええ!!!」」



ドッと声が上がり、

不服そうな視線が
こちらに向けられた。



「……とりあえず、ここを離れよう」



「……う、うん」



あたしたちは
階段を駆け上がり、

ひと気の無いところまで急いだ。



「淳平くんが
文化祭に来てくれるなんて思わなかった!」



「驚かそうと思って、
内緒にしていたんだ!

……ところで、
俺と萌香が付き合っていること、

秘密にしたほうが良さそうだな」



「えっ……。
あ、そっか。

そうだね……

秘密のほうが良いかも」



あたしが
淳平くんと
付き合っていることは、

佳代と雄介にしか話していない。



淳平くんの
ファンは今もたくさんいるから、

付き合っているなんて
知られたら、

学校中の女子を敵に回しちゃうよ。




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