あたし、脱ぎます!《完》
「二人とも
飲みすぎだから〜。
明日も朝から撮影だから、頼むよ」
真鍋さんはいつも冷静。
みんなと同じように
お酒を飲んでいるのに、
全然酔っていない。
「萌香ちゃんも明日に備えて
部屋に戻っても良いからね。
酔っ払いは僕が介抱して
部屋に連れて帰るから」
「あたしはまだ大丈夫です。
みんなが
酔っぱらっている姿を
見るの面白い♪」
「皆、
羽根伸ばしちゃってぇヒドイね。
……でも今日の萌香ちゃん、
今までで一番良かったよ」
真鍋さんは
満足げにビールを口にした。
「海を眺めていたら、
どんどん開放的になっちぇって。
すっかり楽しんでます♪」
「それで良いんだよ。
DVDの撮影は
自然な姿が欲しいんだ。
ファンの人たちは
萌香ちゃんの素の部分に
興味があるからね」
「え?あたしのファン?」
考えたこともなかった。
学校の同級生や他校の子に
「応援してる」と
言われたことは何度もある。
でも全然知らないところで
ファンの人たちは
あたしの載った雑誌を買っていたり、
あたしのことを見ているんだ。