あたし、脱ぎます!《完》
「よお!
久し振りだね。買い物?」
「あ、はい。
お母さんに頼まれて」
「そっか。
こんなところで会うなんて偶然だね」
淳平くんは
ニカッと
口角を上げて笑いかけてくれた。
そんな笑顔に
張り切れそうなくらい、
ドキッとしちゃう。
……でも、
何を話したら良いんだろう。
せっかく
淳平くんと話せる
チャンスなのに
言葉が出て来ない。
店内の有線だけが響き、
あたしの気持ちを焦らせる。
「萌香ちゃんは、
高校卒業したら、大学行くの?」
淳平くんが
話題を振ってくれて、
間が開かず済んだ。